マンションオーナーの賃貸・引っ越しブログ

愛知在住、東京でマンションオーナーをしている著者の不動産賃貸や不動産投資についてのブログです。

フリーレント物件って何?ーその理由とメリットとは


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□フリーレント物件とは


 賃貸物件を探していると、「フリーレント物件」というものを見つけることがあります。


 フリーレント物件とは、一定期間家賃が無料になる物件のことです。一定期間という点については特に期間が決まっているわけではなく、数週間のところもあれば1〜3ヶ月のところもあります。


 「なんでこの物件だけ無料なの?」と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、フリーレント物件は賃貸人にとっても賃借人にとってもメリットの多いシステムなのです。


□賃貸人から見た、フリーレント物件のメリット


 物件を貸す側の立場から見ると、フリーレント物件は以下のようなメリットがあります。


○物件に競争力をつけ、借りてもらいやすくなる


 間取り、最寄駅までの所要時間、家賃など賃貸物件を探すときの条件は様々ですが、一方で条件の似通った物件が複数あります。賃貸物件のサイトなどを見ていると、「この物件を見た人はこちらの物件も参考にしています」とか表示され、似たような物件情報が提供されることありますよね?


 そのような競合物件がある中で、最終的に自身の物件を選んでもらうために「フリーレント」を設定し、借りてもらいやすくするというメリットがあります。


○空室リスクを回避する


 さらに、なかなか借りてもらえない物件についてもフリーレントを設定する場合があります。これは長期間空室が生じることにより、オーナー(大家)の収入が途絶えてしまうのを防ぐためで、借り手が見つかるなら少しの間だけ無収入、のほうがまだオーナーの損害が少ないためです。


 「家賃を下げればいいじゃん」と思うかもしれませんが、家賃を下げて物件情報を提供すると、すでに入居している人からも家賃値下げの交渉を迫られることになってしまいます。

 そのため、あくまで家賃は下げず、最初の一定期間だけ無料、としたほうがオーナーにとっても都合が良いのです。


□賃借人から見た、フリーレント物件のメリット


○初期費用が抑えられる


 賃貸物件を借りる際には、初期費用として家賃2ヶ月分程度をあわせて支払うよう求められることが多いです。

 このときフリーレント物件ならば、その分の家賃支払がなくなるので初期費用が抑えられるということです。


 ただし、フリーレント期間がどのくらいの長さなのか、初期費用として家賃以外の名目で初期費用として負担する金額がいくらか、について注意しておく必要があります。

 フリーレント物件であっても礼金2ヶ月分必要となったら、そもそも礼金なしで提供している周辺物件とほとんど変わらなくなってしまいます。


○二重家賃を回避できる


 現在住んでいる賃貸物件を退去するためには、退去日から1ヶ月前までに通告しなければならない、とされているところが多いです。

 今住んでいるところの退去日と次に住むところの入居日は、引越しの準備の関係からどうしても一定期間ズレが生じてしまうため、結果として二重に家賃を支払うという期間が出てしまいます。


 そんなときにフリーレント物件であれば、フリーレント期間中は二重家賃が発生しませんし、またフリーレント機関を見越してゆとりを持って引越しをすることも可能になります。


□最後にーこんな場合は注意!


 以上から見るに、フリーレント物件は賃貸人と賃借人いずれにもメリットのある仕組みになっていますが、注意すべき点もあります。


 フリーレント物件では、入居後短期間(1年未満としている場合が多い)で退去した場合、短期違約金として家賃相当分の金額を負担しなければなりません。

 そうすると、結果的に割安にならないといったことになりますので、もし転勤などで短期で転居する可能性があるならば、フリーレント物件は避けたほうが無難かもしれません。